服飾でやるのはトレンドだけではない
トレンド以外のファッションとは
“トラッド”とはオーソドックスなスタイルを表すファッション用語ですが、いつの時代も流行やトレンドに左右されないトラディショナルなスタイルを愛する人たちが存在しています。
アイビーリーグやプレッピースタイルなど、トラディショナルな装いは当初非常にカッチリとした固い印象だったものの、現在では時と共によりカジュアルでエッセンス的な方向へと変化しつつあります。
アメリカから来たという意味で、本場アメリカでは完全に当時の装いを再現したようなスタイルも未だにあるものの、多くは時代の流れや流行を受け、今の時代の感覚でおしゃれで着こなせるようなスタイルへと変化しつつあります。
特徴的なのは、全身をトラディショナルなスタイルで統一するのではなく、アイテムやどこか数か所のアクセントに用いるという手法です。
時代を生き抜いたセンス
トレンドの対義語がトラディショナルという風に考えてしまいがちですが、前述のようにトラディショナルな要素やアイテムを取り入れたファッションスタイルもあり、文化やコーディネートの幅が広がるにつれてますますその定義が曖昧になっています。
これもファッションという千差万別の感性を要する分野だからこその現象なのですが、トラディショナルの最大の魅力は「変わらぬ良さ」にあります。
多少時代の変化を受けているとはいえ、固定化された安定した組み合わせはむしろファッションにおける感性を豊かにしてくれるでしょう。
単に古臭いと片付けてしまうことができないのは、それが美的センスを含んだファッションやスタイルであるからです。
時の流れを生き抜いてきた装いにはそれなりの魅力と強さがあり、いつまでも人々に愛されるジャンルとして受け継がれていきます。
アメリカントラッド、ブリティッシュトラッド
“トラディショナル”もしくは“トラッド”という場合、多くはアメリカントラッドかブリティッシュトラッドのことを指すようです。
字義的にはトラディショナル=伝統的ということで和服もその類に含まれそうなものなのですが、ファッションの常でいくつかの単語は常に特定のスタイルのみを指しています。
アメリカントラッドは、ブレザーやローファーなどのきっちりした印象を与えるアイテムを使用しつつ、よりカジュアルで普段着に見えるスタイルが特徴です。
これに対しブリティッシュトラッドは、男性で言うとしたらスーツに見紛うファッションが特徴で、お国柄と相まってさらに固い印象があります。
見た目には完全にビジネスに行くサラリーマンに見えなくもありません。
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