おしゃれの歴史と発展の豆知識

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おしゃれの歴史と発展の豆知識

おしゃれの発展:ジーンズの場合

おしゃれの歴史は、業務用の服装から取り入れられてきたという側面があります。ジーンズの例を取り上げてみましょう。

 

ジーンズは、元々は炭鉱で作業する工夫が要望して生まれた仕事用のパンツでした。

 

おしゃれの歴史と発展の豆知識

 

19世紀後半のゴールドラッシュに沸いていたアメリカでは、炭鉱夫と鉄道労働者たちがすぐに破れてしまうパンツに困っていました。そこでネバダ州で仕立て屋を営んでいたある男性が丈夫な作業用パンツの製造を考え始めます。

 

彼は馬用のブランケットに打ち込まれているリベットに注目し、自身が作るパンツの隅に打ち込めば耐久性が増すのではないかと考えます。

 

リベットとは、ジーンズのポケットの隅についている金属製のボタンのようなものですが、本人はこのリベットを付けたものの大した期待はしていなかったと言います。

 

ジーンズの地位が確立されるまで

こうして耐久性が増したこのパンツは評判になり、その後どんどん注文が舞い込むようになります。

 

そこで特許を提出することにしますが、当時の手数料68ドルは大金だったため、生地の商人であったリーバイ・ストラウスと折半して特許を出願することになります。

 

1873年5月のことでした。リーバイはその後リベットの付いたパンツが重要であると考え、自身の会社に衣料生産部門を新設しその男性を監督に任命します。これが現在知られているリーバイスのジーンズの誕生の瞬間でした。

 

しかし、初めはデニム生地ではなく綿帆布がしようされていました。しかしデニムを導入した結果耐久性の面で非常に評判が良かったため、デニム生地でのパンツの生産が増えていきました

 

興味深いのは、当時デニム生地を使用してパンツを生産するメーカーが他に幾つもあったことです。

 

リーバイスがジーンズメーカーとして地位を確立したのは、オーバーオールではなく履きやすい腰丈のパンツを主力商品にしたことと、“馬が引いても破れない”というキャッチコピーでブランディングを進めたことだと言われています。

 

おしゃれは意外なところから

今回はジーンズの歴史を例に挙げましたが、現在でこそおしゃれの定番として全世界で人気を博すジーンズでさえ、最初は肉体労働者が愛用する頑丈なパンツに過ぎませんでした

 

当時の人たちは、そのおよそ50年後にはジーンズが一般の若者のファッションアイテムになるとは想像もしていなかったでしょう。

 

おしゃれの発展はいつでも意外なところから生まれるもので、多くの人がおしゃれだとみなすことがその土台となる、相対的で流動的な概念なのです。

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